てんぐのはな
天狗の鼻

冒頭文

一 むかし、ある所に大きな村がありました。北に高い山がそびえ、南に肥沃(ひよく)な平野がひかえ、一年中暖かく日が当って、五穀(ごこく)がよく実り、どの家も富み栄えて、人々は平和に楽しく暮らしていました。 ところがこの村に、不思議なことが起こってきました。夕方たんぼから帰ってきて、いろんなごちそうをこしらえて、一家揃(そろ)って楽しい食事をしようとしますと、どこからかふいにひどい風が

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 豊島与志雄童話集
  • 海鳥社
  • 1990(平成2)年11月27日