しょうかくぼう
正覚坊

冒頭文

正覚坊(しょうかくぼう)というのは、海にいる大きな亀(かめ)のことです。地引網(じびきあみ)を引く時に、どうかするとこの亀が網にはいってくることがあります。すると漁夫(りょうし)達は、それを正覚坊がかかったと言って大騒ぎをします。正覚坊が網にかかるときっと大漁がある、と言われているのです。漁夫達は皆集まって正覚坊をとり巻き、近所の家から酒をたくさん取り寄せて、それを正覚坊に飲ませます。正覚坊は酒が

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 豊島与志雄童話集
  • 海鳥社
  • 1990(平成2)年11月27日