おやまのじいさん
お山の爺さん

冒頭文

一 おうさむこさむやまからこぞうがないてきたなーんとてないてきたさむいとてないてきた。 こういう歌を皆さんはご存(ぞん)じでしょう。この歌が流行(はや)り始めた頃には、おもしろい話がそれについていたものです。この歌をうたって山の近くでたき火をしていると、一寸法師(いっすんぼうし)の子僧(こぞう)が火にあたりに山から飛んでくる、というのです。 ある片田舎(かたいなか)の、山の裾(すそ)にある小

文字遣い

新字新仮名

初出

「金の星」1923(大正12)年1月

底本

  • 豊島与志雄童話集
  • 海鳥社
  • 1990(平成2)年11月27日