一 おうさむこさむ やまからこぞうがないてきた なーんとてないてきた さむいとてないてきた。 こういう歌を皆さんはご存(ぞん)じでしょう。この歌が流行(はや)り始めた頃には、おもしろい話がそれについていたものです。この歌をうたって山の近くでたき火をしていると、一寸法師(いっすんぼうし)の子僧(こぞう)が火にあたりに山から飛んでくる、というのです。 ある片田舎