ジャン・クリストフ 11 だいきゅうかん もゆるいばら |
| ジャン・クリストフ 11 第九巻 燃ゆる荊 |
冒頭文
われは堅き金剛石(ダイヤ)金槌(つち)にも鑿(のみ)にも打ち砕かれじ。打て、打て、打ちみよわれは死なじ。死してはまた生き屍灰(はい)より生まるる不死鳥のわれ。殺せ、殺してみよ、われは死なじ。 ——バイーフ—— 一 心の静穏。風はやんだ。空気は動かない……。 クリストフは落ち着いていた。彼のうちには平和があった。彼は平和を得て多少矜(ほこ)らかな感じがした。そして内心では、ある遺憾の念
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- ジャン・クリストフ(四)
- 岩波文庫、岩波書店
- 1986(昭和61)年9月16日