赤とんぼは、三回ほど空をまわって、いつも休む一本の垣根(かきね)の竹の上に、チョイととまりました。 山里の昼は静かです。 そして、初夏の山里は、真実(ほんとう)に緑につつまれています。 赤とんぼは、クルリと眼玉(めだま)を転(てん)じました。 赤とんぼの休んでいる竹には、朝顔(あさがお)のつるがまきついています。昨年(さくねん)の夏、この別荘(べっそう)の主