かじょうちゃはん ふ・げんだいしそう
家常茶飯 附・現代思想

冒頭文

第一場 広き画室。大窓(おおまど)の下に銅版の為事(しごと)をする卓(たく)あり。その上に為事半ばの銅版と色々の道具とを置きあり。左手に画架。その上に光線を遮るために使う枠を逆さにして載せあり。室(しつ)の真中(まんなか)に今一つの大いなる画架あり。その脇(わき)に台あり。その上に色々の形をなしたる筆立(ふでたて)に絵筆を立てあり。筆立の中(うち)には銅器にて腹のふくらみたるも交(まじ)

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 森鴎外全集12
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1996(平成8)年3月21日