せいかつについて
生活について

冒頭文

人の生活には、一の方向が必要である。 生活の方向とは、云い換えれば、生活する者の頭の方向、眼の方向、従ってまた、仕事の方向などを、一緒にした総称である。更に云い換えれば、自分の一生を通じて何を為すかという、その何をの謂である。 一生を捧げて何を為そうかという、その何をが少しも定まっていない生活が世にはある。昨日は甲のことを為し、今日は乙のことを為し、明日は丙のことを為そうとする

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 豊島与志雄著作集 第六巻(随筆・評論・他)
  • 未来社
  • 1967(昭和42)年11月10日