にんぎょのひいさま
人魚のひいさま

冒頭文

はるか、沖合へでてみますと、海の水は、およそうつくしいやぐるまぎくの花びらのように青くて、あくまですきとおったガラスのように澄みきっています。でも、そこは、ふかいのなんのといって、どんなにながく綱(つな)をおろしても底にとどかないというくらいふかいのです。お寺の塔を、いったい、いくつかさねて積み上げたら、水の上までとどくというのでしょうか。そういうふかい海の底に、海のおとめたち——人魚のなかまは住

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 新訳アンデルセン童話集第一巻
  • 同和春秋社
  • 1955(昭和30)年7月20日