むだい(じゅうさん) |
無題(十三) |
冒頭文
「道標」のため ○猿の毛皮 矢はず形についだ茶色の猿の毛皮 余りおもくなくて丈夫な ○ガローシをぬぐ つぎに外套をぬぎ すき間風をふせぐためにくびのまわりにまいているネッカチーフをとる。そうするとどんな女もほっそりと小さくなってなかみから現れた。 「ナターシャがはじめての舞踏会へ行ってむかれて現れる」面白さを思い出す。 丸っこい体の伸子さえ小さい女になって外套のなかからあらわれた。そし
文字遣い
新字新仮名
初出
「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日
底本
- 宮本百合子全集 第十八巻
- 新日本出版社
- 1981(昭和56)年5月30日