創作余談、とでもいったものを、と編輯者(へんしゅうしゃ)からの手紙にはしるされて在った。それは多少、てれくさそうな語調であった。そう言われて、いよいよてれくさいのは、作者である。この作者は、未だほとんど無名にして、創作余談とでもいったものどころか、創作それ自体をさえ見失いかけ、追いかけ、思案し、背中むけ、あるいは起き直り、読書、たちまち憤激、巷(ちまた)を彷徨(ほうこう)、歩きながら詩一篇などの、