うっくつか
鬱屈禍

冒頭文

この新聞(帝大新聞)の編輯者(へんしゅうしゃ)は、私の小説が、いつも失敗作ばかりで伸び切っていないのを聡明にも見てとったのに違いない。そうして、この、いじけた、流行しない悪作家に同情を寄せ、「文学の敵、と言ったら大袈裟(おおげさ)だが、最近の文学に就いて、それを毒すると思われるもの、まあ、そういったようなもの」を書いてみなさいと言って来たのである。 編輯者の同情に報いる為にも私は、思うと

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • もの思う葦
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1980(昭和55)年9月25日