にんじんのせい
人蔘の精

冒頭文

これは人蔘で有名な朝鮮の話であります。其の朝鮮に張と云う人がありました。其の張は山の中や野の中を歩いて人蔘を掘るのが稼業でありました。ぜんたい人蔘というものは、山の中や野の中に自然に生えて、二十年も三十年も経った古いものでなくては体に利き目がありません。又そんなよい人蔘になりますと一本で何十円何百円にもなります。 張もそうした人蔘を捜して歩く者でありました。某日(あるひ)張は、其の人蔘を

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本怪談全集 Ⅱ
  • 桃源社
  • 1974(昭和49)年7月5日