すずめのみやものがたり
雀の宮物語

冒頭文

東北本線の汽車に乗って宇都宮を通過する者は、宇都宮の手前に雀の宮と云う停車場のあるのを見るであろう。私は其の雀の宮へ下車したことがないから実物を見たことはないが、東国旅行談の云うところによると、其処に雀を祭った雀大明神の宮があって、土地の名もそれから起ったらしい。 何時の比(ころ)のことであったか其の村に相撲が好きで、餅や饅頭の類を一嚥みにするのを自慢にする百姓があった。名は何んと云った

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本怪談全集 Ⅱ
  • 桃源社
  • 1974(昭和49)年