がん

冒頭文

此の話は想山著聞奇集の中にある話である。該書の著者は、「此一条は戯場の作り狂言のようなる事なれども、然(さ)にあらず、我が知音中村何某(なにがし)、其の時は実方(みのかた)津(つ)の藩中に在る時の事にて、近辺故現に其の事を見聞して、よく覚え居りて具(つぶさ)に咄せし珍事也」と云って、此の話の事実であることを証明しようとし、其の事件のあった年号まで明記して、「文化八年の冬の事と覚えし由」などと云って

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本怪談全集 Ⅱ
  • 桃源社
  • 1974(昭和49)年7月5日