四手網 俳優の木下がまだ田舎まわりの馬の脚であった時、夜、利根川の土手を歩いていると、むこうの方の川縁に時とすると黒い大きな物があがって、それが星あかりに怪しく見える。ふるえふるえ往って見ると、それは四手網をあげているので、 「ああ、よかった」 と云うと、今度は四手網の男が驚いて、 「わっ」 と云って水の中へ落ちた。 天狗 先輩高木孟旦翁の話。高木翁が土佐の本山と云う山奥の村で小学教師