かいだんおぼえちょう
怪談覚帳

冒頭文

四手網 俳優の木下がまだ田舎まわりの馬の脚であった時、夜、利根川の土手を歩いていると、むこうの方の川縁に時とすると黒い大きな物があがって、それが星あかりに怪しく見える。ふるえふるえ往って見ると、それは四手網をあげているので、 「ああ、よかった」 と云うと、今度は四手網の男が驚いて、 「わっ」 と云って水の中へ落ちた。 天狗 先輩高木孟旦翁の話。

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本怪談全集 Ⅱ
  • 桃源社
  • 1974(昭和49)年7月5日