ほしのぎんか
星の銀貨

冒頭文

むかし、むかし、小さい女の子がありました。この子には、おとうさんもおかあさんもありませんでした。たいへんびんぼうでしたから、しまいには、もう住むにもへやはないし、もうねるにも寝床(ねどこ)がないようになって、とうとうおしまいには、からだにつけたもののほかは、手にもったパンひとかけきりで、それもなさけぶかい人がめぐんでくれたものでした。 でも、この子は、心のすなおな、信心のあつい子でありま

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 世界おとぎ文庫(グリム篇)森の小人
  • 小峰書店
  • 1949(昭和24)年2月20日