せかいかいだんめいさくしゅう 02 かしや
世界怪談名作集 02 貸家

冒頭文

一 わたしの友達——著述家で哲学者である男が、ある日、冗談と真面目と半分まじりな調子で、わたしに話した。 「われわれは最近思いもつかないことに出逢ったよ。ロンドンのまんなかに化(ば)け物(もの)屋敷を見つけたぜ」 「ほんとうか。何が出る。……幽霊か」 「さあ、たしかな返事はできないが、僕の知っているのはまずこれだけのことだ。六週間以前に、家内と僕とが二人連れで、家具付きのアパートメ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 世界怪談名作集 上
  • 河出文庫、河出書房新社
  • 1987(昭和62)年9月4日