ゆうれいのいしょう
幽霊の衣裳

冒頭文

三代目尾上菊五郎(おのえきくごろう)は怪談劇の泰斗として知られていた。其の菊五郎は文化年代に、鶴谷南北(つるやなんぼく)の書きおろした『東海道四谷怪談』を木挽町(こびきちょう)の山村座(やまむらざ)で初めて上演した。其の時菊五郎はお岩(いわ)と田宮(たみや)の若党(わかとう)小平(こへい)、及び塩谷(えんや)浪人佐藤与茂七(さとうよもしち)の三役を勤めたが、お岩と小平の幽霊は陰惨を極めたもので、当

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 怪奇・伝奇時代小説選集3 新怪談集
  • 春陽文庫、春陽堂書店
  • 1999(平成11)年12月20日