なんぼくのとうかいどうよつやかいだん
南北の東海道四谷怪談

冒頭文

一 伊藤喜兵衛(いとうきへえ)は孫娘のお梅(うめ)を伴(つ)れて、浅草(あさくさ)観音の額堂(がくどう)の傍(そば)を歩いていた。其の一行にはお梅の乳母のお槇(まき)と医師坊主(いしゃぼうず)の尾扇(びせん)が加わっていた。喜兵衛はお梅を見た。 「どうじゃ、お梅、今日はだいぶ気あいがよさそうなが、それでも、あまり歩いてはよろしくない、駕籠(かご)なと申しつけようか」 「いえ、いえ、わ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 怪奇・伝奇時代小説選集3 新怪談集
  • 春陽文庫、春陽堂書店
  • 1999(平成11)年12月20日