およしのおんりょう
阿芳の怨霊

冒頭文

由平(よしへい)は我にかえってからしまったと思った。由平は怯(おく)れた自分の心を叱って、再び身を躍らそうとした。と、其の時背後(うしろ)の方から数人の話声が聞こえて来た。由平は無意識に林の中へ身を隠した。間もなく由平の前に三人の人影が現われた。それは宇津江(うづえ)帰りらしい村の壮佼(わかいしゅ)であった。壮佼たちは何か面白そうに話しながら通りすぎた。由平はほっとした。 其処(そこ)は

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 怪奇・伝奇時代小説選集3 新怪談集
  • 春陽文庫、春陽堂書店
  • 1999(平成11)年12月20日