ひろんりてきせいかくのひあい |
| 非論理的性格の悲哀 |
冒頭文
白でないものは黒である。もし白でも黒でもないものは、中間の灰色でなければならない。これが論理の原則であり、我々の推理の方式は、いつでもこの前提の上に組みたてられる。 しかしながら多くの事實は、いつも人間の推理を裏切つてゐる。具體的なるすべての事實は、決して論理的であり得ない。特に我々の人格ほど、非論理的なものはないであらう。人格の實相は、實に矛盾そのものである。たとへばドストイエフスキイの著るし
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「改造 第七卷第十一號」1925(大正14)年11月号
底本
- 萩原朔太郎全集 第八卷
- 筑摩書房
- 1976(昭和51)年7月25日