マクシム・ゴーリキイについて
マクシム・ゴーリキイについて

冒頭文

マクシム・ゴーリキイは一八六八年、日本の明治元年に、ヴォルガ河の岸にあるニージュニ・ノヴゴロドに生れました。父親は早く死に、勝気で美しい母はよそへ再婚し、おさないゴーリキイは祖父の家で育ったのですが、この子供時代の生活が、どんなに荒っぽいおそろしいものであったかということは有名な「幼年時代」という作品に生き生きと描かれています。残忍な生れつきの祖父と、財産あらそいばかりしている小父たち。たちのわる

文字遣い

新字新仮名

初出

「宮本百合子全集 第八巻」河出書房、1952(昭和27)年10月

底本

  • 宮本百合子全集 第十八巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年5月30日