ういまご
初孫

冒頭文

この度(たび)は貞夫(さだお)に結構なる御(おん)品御(おん)贈り下されありがたく存じ候、お約束の写真ようよう昨日でき上がり候間二枚さし上げ申し候、内一枚は上田の姉に御(おん)届け下されたく候、ご覧のごとくますます肥え太りてもはや祖父(じい)様のお手には荷が少々勝ち過ぎるように相成り候、さればこのごろはただお膝(ひざ)の上にはい上がりてだだをこねおり候、この分にては小生が小供(こども)の時きき候と

文字遣い

新字新仮名

初出

「太平洋」1900(明治33)年12月

底本

  • 武蔵野
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1939(昭和14)年2月15日、1972(昭和47)年8月16日改版