さいきんにほんのかがくろん ――しょろんのぶ―いっぱんてきとくしつについて――
最近日本の科学論 ――緒論の部―一般的特色について――

冒頭文

ひとり日本に限るわけではないが、特に現在の日本に於ては、含蓄ある意味での科学論が、多少とも進歩に関心を持つ社会人の溌剌たる興味の対象になっている点を、私は注目したい。近代日本の科学論の歴史は勿論決して新しくはない。特に社会科学乃至歴史科学に就いての科学論的反省は、叙述そのものにとっての日常不可欠な要点をなすので、夙くから注目されている(愚管抄の昔からあるにはあるのだ)。近代で最も先駆的な段階は恐ら

文字遣い

新字新仮名

初出

「唯物論研究 第五六号」

底本

  • 戸坂潤全集 第一巻
  • 勁草書房
  • 1966(昭和41)年5月25日