かいがらついほう 005 ながいかふうせんせいのいんしょう
貝殻追放 005 永井荷風先生の印象

冒頭文

政治家、實業家、役人、軍人、教育家、いろいろちがつた職業に從事してゐる第一流と呼ばれる人間に逢つても、頭の下る人は皆無に候處、兎角はきちがへた人間の多い小説の作家の中に、永井先生をみる事は欣喜至極に御座候。小生は先生の前に出る時自ら頭が下り申候。(大正七年一月七日) ——「新潮」大正七年二月號

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「新潮」1918(大正7年)2月号

底本

  • 水上瀧太郎全集 九卷
  • 岩波書店
  • 1940(昭和15)年12月15日