こうじょうろうどうしゃのせいかつについて
工場労働者の生活について

冒頭文

○長や 玉やの玉のブつかる音。小さい家から一日じゅうラジオか、やすチク音キがきこえる。窓からとび込んで来る猫。葬儀やの二階の講。台所にタライにビールをつけてある。ベコベコジャミセン ○物干しに出て、どじょうすくいを踊るのをこっちから見て(室内の連中が)居る。 「乃木節じゃ私ァ霞町一番だったんだ」から下手。「踊じゃ私がやっぱり師匠かな」夜、おかみさんが「お膳はあしたすっかりふいておかえししますよ

文字遣い

新字新仮名

初出

「多喜二と百合子 第四号」多喜二・百合子研究会、1954(昭和29)年6月

底本

  • 宮本百合子全集 第十八巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年5月30日