あとがき(『こうふくについて』)
あとがき(『幸福について』)

冒頭文

私たち日本の女性が今日めいめいの生活にもっている理想と現実とは非常に複雑な形で互に矛盾しからみあっている。しかもその矛盾や葛藤の間から、私たちの二度とくりかえすことのない人生の一日一日が生み出され、歴史は発展しつつある。 今日すべての人々が困難に感じていることは何だろう。それは現実があまり切迫して、早い速力で遷(うつ)って行くから、一つの行動の必要が起ったとき、その意味や価値をじっくり自

文字遣い

新字新仮名

初出

「幸福について」雄鶏社、1947(昭和22)年11月

底本

  • 宮本百合子全集 第十八巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年5月30日