がちょう
鵞鳥

冒頭文

ガラーリ 格子(こうし)の開(あ)く音がした。茶の間に居た細君(さいくん)は、誰(だれ)かしらんと思ったらしく、つと立上って物の隙(すき)からちょっと窺(うかが)ったが、それがいつも今頃(いまごろ)帰るはずの夫だったと解(わか)ると、すぐとそのままに出て、 「お帰りなさいまし。」 と、ぞんざいに挨拶(あいさつ)して迎(むか)えた。ぞんざいというと非難するように聞えるが、そうではな

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • ちくま日本文学全集 幸田露伴
  • 筑摩書房
  • 1992(平成4)年3月20日