おおさかはっけん
大阪発見

冒頭文

一 年中夫婦喧嘩をしているのである。それも仲が良過ぎてのことならとにかく、根っから夫婦(ふたり)一緒に出歩いたことのない水臭い仲で、お互いよくよく毛嫌いして、それでもたまに大将が御寮人さんに肩を揉ませると、御寮人さんは大将のうしろで拳骨を振り舞わし、前で見ている女子衆(おなごし)を存分に笑わせた揚句、御亭主の頭をごつんと叩いたりして、それが切っ掛けでまた喧嘩だ。十年もそれが続いたから、母

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆9 町
  • 作品社
  • 1983(昭和58)年7月25日