せかいかいだんめいさくしゅう 15 ゆうれい
世界怪談名作集 15 幽霊

冒頭文

私たちは最近の訴訟事件から談話に枝が咲いて、差押えということについて話し合っていた。それはルー・ド・グレネルの古い別荘で、親しい人たちが一夕(いっせき)を語り明かした末のことで、来客は交るがわるにいろいろの話をして聞かせた。どの人の話もみな実録だというのである。 そのうちに、ド・ラ・トール・サミュールの老侯爵が起(た)ちあがって、煖炉(だんろ)の枠によりかかった。侯爵は当年八十二歳の老人

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 世界怪談名作集 下
  • 河出文庫、河出書房新社
  • 1987(昭和62)年9月4日