この農園(のうえん)のすもものかきねはいっぱいに青じろい花をつけています。 雲は光って立派(りっぱ)な玉髄(ぎょくずい)の置物(おきもの)です。四方の空を繞(めぐ)ります。 すもものかきねのはずれから一人の洋傘(ようがさ)直しが荷物(にもつ)をしょって、この月光をちりばめた緑(みどり)の障壁(しょうへき)に沿(そ)ってやって来ます。 てくてくあるいてくるその黒い細い脚