とりをとるやなぎ
鳥をとるやなぎ

冒頭文

「煙山(けむやま)にエレッキのやなぎの木があるよ。」 藤原慶次郎(けいじろう)がだしぬけに私に云(い)いました。私たちがみんな教室に入って、机に座(すわ)り、先生はまだ教員室に寄っている間でした。尋常(じんじょう)四年の二学期のはじめ頃(ごろ)だったと思います。 「エレキの楊(やなぎ)の木?」と私が尋(たず)ね返そうとしましたとき、慶次郎はあんまり短くて書けなくなった鉛筆(えんぴつ)を

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 新編 風の又三郎
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1989(平成元)年2月25日