しょうじょとうみほおずき |
| 少女と海鬼灯 |
冒頭文
ある日、みつ子さんがお座敷のお縁側で、お友達の千代子さんと遊んでゐますと、涙ぐんだ小さな声で唄が聞えて来ました。 わたしの お家(うち)は海なのよわたしの姉さん母さんは御無事で お家に居(を)るでせうかわかれて来てからもう二年一度もたよりはないけれどお家に 御無事で居るでせうか 唄は、ほんたうに哀(あはれ)ツぽい悲しさうな声で又聞えました。 渚の沙(すな)さへ子があればわかれて逢はない子が
文字遣い
新字旧仮名
初出
「小学女生」1921(大正10)年11月号
底本
- 定本 野口雨情 第六巻
- 未來社
- 1986(昭和61)年9月25日