しょじょじだいのついおく だんぺんさんしゅ
処女時代の追憶 断片三種

冒頭文

○ 処女時代の私は、兄と非常に密接して居ました。兄に就いていろいろの思ひ出があります。十六七の時でした、何でも秋の末だと思ひます。子供のうちから歌や文章を好んで居た私を、やはり文学者として立つつもりで高等学校に居た兄が、新詩社の與謝野晶子夫人の処へつれて行つて呉れました。その頃新詩社からは今の明星の前身のやはり明星といふ大な詩歌雑誌が出て居ました。兄は私をつれて行くよりずつと前に新詩社に入り、歌や

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻86 少女
  • 作品社
  • 1998(平成10)年4月25日