しょうがくせいのときあたえられたきょうくん
小学生のとき与へられた教訓

冒頭文

或る晴れた秋の日、尋常科の三年生であつた私は学校の運動場に高く立つてゐる校旗棒を両手で握つて身をそらし、頭を後へ下げて、丁度逆立したやうになつて空を眺めてみた。すると青空が自分の眼の下に在るやうに見え、まるで、海を覗いてゐる気がした。ところどころに浮んでゐる白雲を海上の泡とも思ふのであつた。面白い事は鳥が逆さになつて飛んで行く、二羽も三羽も白い腹を見せて、ゆつくり飛んで行く。私は飽かずに眺め入つた

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻67 子供
  • 作品社
  • 1996(平成8)年9月25日