だいぼさつとうげ 12 ほうきのやすつなのまき
大菩薩峠 12 伯耆の安綱の巻

冒頭文

一 これよりさき、竜王の鼻から宇津木兵馬に助けられたお君は、兵馬恋しさの思いで物につかれたように、病み上りの身さえ忘れて、兵馬の後を追うて行きました。 よし、その言い置いた通り白根(しらね)の山ふところに入ったにしろ、そこでお君が兵馬に会えようとは思われず、いわんや、その道は、険山峨々(がが)として鳥も通わぬところがある。何の用意も計画もなくて分け入ろうとするお君は無分別であります

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 大菩薩峠3
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1996(平成8)年1月24日