まつとふじげいぎのかえもん
松と藤芸妓の替紋

冒頭文

一 今日(こんにち)より改まりまして雑誌が出版になりますので、社中かわる〴〵持前(もちまえ)のお話をお聴(きゝ)に入れますが、私(わたくし)だけは相変らず人情の余りお長く続きません、三冊或(あるい)は五冊ぐらいでお解りになりまする、まだ新聞に出ませんお話をお聴に入れます。これは明治四年から六年まで、三ケ年の間お話が続きます、実地あったお話でございます。さて俗語に苦は楽の種、楽しみ極(きわ)ま

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 圓朝全集 巻の二
  • 近代文芸資料複刻叢書、世界文庫
  • 1963(昭和38)年7月10日