こうせんのように
光線のように

冒頭文

若いこころと体とがもっている様々の新鮮な波。さまざまな光と影とは、何と不思議でつかまえにくくて、そして激しいでしょう。若さは、自分で知らないうちにもうきのうの自分の限界をこえています。いつの間にか心と体とがそこまで動いていっていて、欲求するものをつかまえようとしています。光線のような生活力。ちっとも停滞しないで、よごれてしまわないで。思想さえも感覚として訴えて来るのが青春です。けれども、いまの日本

文字遣い

新字新仮名

初出

「令女界」1948(昭和23)年6月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十七巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年3月20日