しょかんせん
書簡箋

冒頭文

中国の書簡箋というものには、いつもケイがある。けれどもなぜケイがあるかは知らなかった。白文体について作人が書いている文章が「魯迅伝」に引用されている。「古文を用いますと、空っぽで内容はなくとも、八行の書簡箋はいっぱいに埋められるわけであります」ははあと、感服した。古い支那の教養とは何という様式化であったろう! こういう極端な様式化が教養の根本をなしたという事実の半面には、氾濫的な生活力の

文字遣い

新字新仮名

初出

不詳

底本

  • 宮本百合子全集 第十七巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年3月20日