きつねのねえさん |
| 狐の姐さん |
冒頭文
七月○日 火曜日 散歩。 F子洗髪を肩に垂らしたまま出た。水瓜畑の間を通っていると、田舎の男の児、 狐の姐さん! 化け姐さん!と囃した。七月○日 水曜日 三時過から仕度をし、T・P・W倶楽部の集りに出かけた。A新聞の竹中さんとP夫人の肝煎り。七八人。P夫人は日本に十六年もいる。劇評家。Nさんも見える。P夫人能もすきで屡々見るらしい。芝居は相当よく分り、花道の効果、または能の表徴的な美も理解
文字遣い
新字新仮名
初出
「新潮」1927(昭和2)年9月号
底本
- 宮本百合子全集 第十七巻
- 新日本出版社
- 1981(昭和56)年3月20日