よがほんやくのひょうじゅん
余が翻訳の標準

冒頭文

翻訳は如何様(いかよう)にすべきものか、其の標準は人に依って、各(おのおの)異ろうから、もとより一概に云うことは出来ぬ。されば、自分は、自分が従来やって来た方法(しかた)について述べることとする。 一体、欧文は唯だ読むと何でもないが、よく味うて見ると、自ら一種の音調があって、声を出して読むとよく抑揚が整うている。即ち音楽的(ミュージカル)である。だから、人が読むのを聞いていても中々に面白

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 平凡・私は懐疑派だ
  • 講談社文芸文庫、講談社
  • 1997(平成9)年12月10日