じぶんじぶんのこころというもの
自分自分の心と云うもの

冒頭文

どうか私共女性たちは、もっと自分自分の心というものに対して、敏感に、よい意味の神経質になりたいと思います。 めいめいが、その事さえしていると自分の全心が勇気と愛に満ち真剣になれ切れると云うことだけに、没頭したら、どんなに真実な力の籠もった生活の調子が出来るでしょう。或る一つの仕事が百人に向き千人に適うものではありません。 ほかからあてがわれた目的に、自分の何かしたい心持をあてが

文字遣い

新字新仮名

初出

「読売新聞」1924(大正13)年1月7日号

底本

  • 宮本百合子全集 第十七巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年3月20日