かえる

冒頭文

自分の今寝ころんでゐる側(わき)に、古い池があつて、そこに蛙(かへる)が沢山(たくさん)ゐる。 池のまはりには、一面に芦(あし)や蒲(がま)が茂つてゐる。その芦(あし)や蒲(がま)の向うには、背(せい)の高い白楊(はこやなぎ)の並木(なみき)が、品(ひん)よく風に戦(そよ)いでゐる。その又向うには、静な夏の空があつて、そこには何時(いつ)も細(こまか)い、硝子(ガラス)のかけのやうな雲が

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻
  • 筑摩書房
  • 1971(昭和46)年6月5日