こうえんぐんき
講演軍記

冒頭文

僕が講演旅行へ出かけたのは今度里見弴(さとみとん)君と北海道へ行つたのが始めてだ。入場料をとらない聴衆は自然雑駁(ざつぱく)になりがちだから、それだけでも可也(かなり)しやべり悪(にく)い。そこへ何箇所もしやべつてまはるのだから、少からず疲れてしまつた。然し講演後の御馳走(ごちそう)だけは里見君が勇敢に断(ことわ)つてくれたから、おかげ様で大助かりだつた。 改造社の山本実彦(やまもとさね

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻
  • 筑摩書房
  • 1971(昭和46)年6月5日