びょうしょうざっき
病牀雑記

冒頭文

一、病中閑(かん)なるを幸ひ、諸雑誌の小説を十五篇ばかり読む。滝井(たきゐ)君の「ゲテモノ」同君の作中にても一頭地(いつとうち)を抜ける出来栄(ば)えなり。親父(おやぢ)にも、倅(せがれ)にも、風景にも、朴(ぼく)にして雅(が)を破らざること、もろこしの餅(もち)の如き味はひありと言ふべし。その手際(てぎは)の鮮(あざや)かなるは恐らくは九月小説中の第一ならん乎(か)。 二、里見(さとみ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻
  • 筑摩書房
  • 1971(昭和46)年6月5日