にせものにだい
偽者二題

冒頭文

この夏僕のところへ、山形(やまがた)県から手紙が来た。手紙を出した人は、山崎操(やまざきみさを)と云ふ人だつた。これが今迄(いままで)、手紙を貰つたこともなければ逢(あ)つたこともない人だつた。 ところが、手紙をあけてみると、あなたに貸した百円の金を至急返してくれ、もし返してくれなければ告訴(こくそ)すると云ふのだから吃驚(びつくり)した。何(なん)でもその文面によると、僕が仙台(せんだ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻
  • 筑摩書房
  • 1971(昭和46)年6月5日