へんせんそのた
変遷その他

冒頭文

変遷 万法(ばんぽふ)の流転(るてん)を信ずる僕と雖(いへど)も、目前(もくぜん)に世態(せたい)の変遷(へんせん)を見ては多少の感慨なきを得ない。現にいつか垣の外に「茄子(なすび)の苗(なへ)や胡瓜(きうり)の苗、……ヂギタリスの苗や高山植物の苗」と言ふ苗売りの声を聞いた時にはしみじみ時好(じかう)の移つたことを感じた。が、更に驚いたのはこの頃ふと架上(かじやう)の書を縁側の日の光に曝(さ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻
  • 筑摩書房
  • 1971(昭和46)年6月5日