かいちょう
解嘲

冒頭文

一 中村武羅夫(なかむらむらを)君 これは君の「随筆流行の事」に対する答である。僕は暫(しばら)く君と共に天下の文芸を論じなかつた為めか、君の文を読んだ時に一撃を加へたい欲望を感じた。乃(すなは)ち一月ばかり遅れたものの、聊(いささ)か君の論陣へ返し矢を飛ばせる所以(ゆゑん)である。どうかふだんの君のやうに、怒髪(どはつ)を天に朝(てう)せしめると同時に、内心は君の放つた矢は確かに

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻
  • 筑摩書房
  • 1971(昭和46)年6月5日