石敢当 今東光(こんとうくわう)君は好学の美少年、「文芸春秋」二月号に桂川中良の桂林漫録を引き、大いに古琉球風物詩集(こりうきゆうふうぶつししふ)の著者、佐藤惣之助君の無学を嗤(わら)ふ。瀟麗(しゆくれい)の文章風貌に遜(あきた)らず、風前の玉樹も若(し)かざるものあり。唯疑ふ、今君亦石敢当(せきかんたう)の起源を知るや否や。今(こん)君は桂川中良と共に姓源珠璣(せいげんしゆき)の説を信ずる