よのなかとおんな
世の中と女

冒頭文

今の世の中は、男の作つた制度や習慣が支配してゐるから、男女に依つては非常に不公平な点がある。その不公平を矯正(けうせい)する為には、女自身が世の中の仕事に関与(くわんよ)しなければならぬ。唯、不公平と云ふ意味は、必ずしも、男だけが得(とく)をしてゐると云ふ意味ではない。いや、どうかすると、私(わたし)には女の方が得をしてゐる場合が多いやうに見える。たとへば相撲(すまふ)である。我々は、女の裸体(ら

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻
  • 筑摩書房
  • 1971(昭和46)年6月5日